ども!尊央(Takahiro)です
前回に続いて『にほんのものづくりに関わる!』と決めた理由を書く。
小さい頃から大学まではサッカーだけ。
さらに大学卒業と同時にJICA海外協力隊として中東ヨルダンで体育教員。
体を動かすことしか頭にない人間がなぜにほんのものづくりなのか?
そこには”きっかけ”と”気づき”があった。
vol.1では”きっかけ”について、
vol.2の今回は”気づき”について書いていく。
読み終えたときに”きっかけ”と”気づき”がリンクしていることがわかるはずだ。
vol.1を読んで次に進んで欲しい。
自分のこと、全然知らないな。
山口県で硯職人と出会う直前、約1ヶ月間熊本県の南小国町で過ごしていた。
目的は自分自身を見つめること。
南小国町が開催した大自然の中で色々な人と関わり、色々な経験をしながら自分を見つめるプログラム、「Working Vacation in ASO」に参加していたのだ。
この1ヶ月がなければ間違いなくにほんのものづくりに関わることを始めていない。
ある人との出会い
『自分のことをもっと知りたい!』
プログラムをコーディネートしていたある人材育成のプロとの出会いによってそう思った。
プログラムが始まってすぐにその人とどんな1カ月にするかについて話しあった。
自分の解像度をあげることが必要だと思う。
ん?解像度とは?
好きなものがあるでしょ?それをただ好き!だけじゃなくてなんで好きなのか?まで言葉にできた方がいい。
確かに。サッカー好きだけどなんで?って聞かれると答えがすぐ出てきません。
でしょ。だから1カ月間色々な経験をする中で一つ一つの行動や感情に意識を向けると良いかも。
この会話であることに気づいた。
『いま必要なことは自分の感情をひたすら言葉にすることだ!』
感情に正直になり言葉にする1カ月が始まった。
日記が自分をものすごく大きく変えた!
自分が選んだ感情を言葉にする方法は日記だった。
ある日の日記の一部分を抜粋するとこうだ。
今日運転している時に自分が好きでよく聞いているDef Techを聞いていた。そしたら一緒に乗っていた人が『これ良い!またちゃんとDefTech聞くわ!』って言ってくれた。すごく嬉しかった。なんで嬉しかったのかなって考えた時、自分の中にある『良い!』っていう感覚が他の人にも伝わって理解してもらってその人も好きになってくれたからだって思った。自分の『良い』と思う感覚が相手に伝わる瞬間、自分の気持ちが高まるんだな。
こんな感じで今までだったらなんとも思わない日常の小さな一つの感情を深掘りして書くということを毎日毎日繰り返した。
毎日日記を書き続けて1カ月が経つころには、
『あ、今嬉しいな』『いまイライラするな』『これ楽しい!』
『すごくワクワクする』『めっちゃしんどい』。
自然と一瞬一瞬の感情に意識が向くようになり自分の感情にすごく敏感で正直になっていた。
本当に好きなものはこれだ!!
1カ月の自分を見つめる時間が終わり山口県に行った。
そしてvol.1で書いたようににほんのものづくりに関わると決めたきっかけ、硯(すずり)と硯職人と出会う。
にほんのものづくりに関わる!と決めたきっかけと気づきが、リンクした瞬間であった。
自分、ストーリーが好きなんだ!
『えっ!俺、硯にトキめいてる!!?』
硯を購入したあともずっと胸が高鳴っているのを感じた。
確かに昔からファッションや革のアイテムが好きだったし、こだわりのあるお店などでトキめくことはよくあった。
でも硯に興味を持ったこともトキめいたことも人生で一度もない。
それなのに硯を見て、職人の話を聞いて、自分の心のずっと奥の方で眠っていた何かが目覚めるような感覚になっていることが自分の中でとても驚きだったのだ。
なぜ硯に心を奪われたのか?
深く考えてみるとある気づきにたどり着く。
『あ、俺が好きなのって”もの”そのものじゃなくてものが完成するまでの”ストーリー”が好きなんだ。』
ファッションでも革製品でもない、習字道具の硯。
それにトキめいたのは
硯ができるまでの工程と熟練の技術を直接見て知ったから。
職人さんの話を直接聞いて硯に込められた思いと情熱を知ったから。
この二つの事実が大きかった。
完成したものではなく、
『いつ、誰が、どこで、何を使って、どういう技術と工程で、どんな思いで作っているのか』という、
ものが完成するまでのストーリーに心を奪われることに気がついたのだ。
自分がトキめく瞬間、つまり本当に好きなのは、
ものづくりのストーリーを知ることだったのだ。
だから自分は発信する。
『にほんのものづくりを絶対に無くしてはいけない。』
そんな使命感にかられ、偶然出会った硯がきっかけとなった。
『ものが完成するまでのストーリーが好き』
心のずっと奥の方に眠っていた本当の思いに気づいた。
この”きっかけ”と”気づき”によって生まれた思いそれが、
『にほんのものづくりの魅力を本気で伝える。』
ということだったのだ。
まとめ
ここまでたくさん書いたがvol.2で伝えたかったことは、
南小国町での1ヶ月で自分の感情に敏感になり、正直になることが習慣になったから、硯と職人さんに出会った時の気づきにつながったということだ。
今考えると恐ろしいが南小国町での1ヶ月がなかったら硯と出会っても、ただ『すげー!!』っていう感想を抱いて終わっていたと思う。
『にほんのものづくりに関わる!』と決めるまでには硯という偶然が重なって起きたきっかけとそのきっかけをキャッチできる自分の気づきがあったのだ。
2つのどちらか1つでも欠けていたら今の自分はいない。
きっかけを与えてくださった硯職人の堀尾さん、気づく力を育ててくださった南小国町の人には感謝の気持ちでいっぱいである。
にほんのものづくりの魅力をたくさんの人に伝えるため、
これからも走り続ける。
完
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