ども!尊央(Takahiro)です!
先日福岡県八女市に足を運ぶ機会があり、八女市伝統工芸館に行ってきた。
階段を登ろうとしたとき、壁にたくさん並ぶ美しい模様が視界いっぱいに入ってきた。
美しい模様の正体は八女竹細工だった。
見たときの感動と驚き、そして知って分かった面白さがそこにはあった。
今回は美しい模様を作り出す、八女竹細工の編み方について本気で発信する。
竹細工の編み方がとにかくすごい!!
竹細工って美しい!
『これが竹!?』
驚きすぎて鼻がつきそうになるくらい顔をグッと近づけて見てしまった。
なんだかよくわからないけど複雑に絡み合っている竹を見て『スタイリッシュだな』と感じたのが最初のインパクトだ。
複雑に絡みあっているのにすごく美しい。
自分が竹細工に一気に魅了されているのが分かった。
顔を近づけて見てみると、複雑に見える模様はどこか規則性があるように見えた。
細かい編みが規則的に続き集まることでパッと見たときの美しさが出来上がっていることが分かった。
遠くから一目見ただけでは「糸でできているのでは?」と思ってしまうくらい複雑な編みだ。
糸のように自由自在に形を変えられるほど柔らかくない竹でこんなに美しく編むのだから信じられないほど高度な技術だ。
編み方はなんと〇〇種類!!
たくさん並べられている竹細工の編み方。
1つずつ見ていくと「あれ?さっきもあった?」と思うくらい似ているものもある。
しかしどれ1つ同じものはない。
そして、編み方の種類を知って驚いた。
なんとその数120種類。
1つ1つ名前がしっかりあってさらに驚いた。
色合いが似ていたりするが編み目の細かさが異なっていたりよく見ると違う。
120種類の編み方はどのようにして生まれたのか。
編み方の仕組み
120種類の編み方を作り出す仕組みを簡単に表した図だ。
基本的な編み方があり、その基本的な編み方を組み合わせることによって120種類もの編み方が生まれているのだ。
基本的な編み方とはどのような編み方なのか。全てではないが、一部である6種類の基本の編み方を見てもらいたい。
基本の編み方
①四つ目
四つ目を崩したり、違う色を組み合わせたりして変化させたものが以下のような柄になる。
②六つ目
六つ目を崩したり、違う色を組み合わせたりして変化させたものが以下のような編み目になる。
③八つ目
八つ目を違う色の竹を組み合わせたり、目の中に違う竹を入れたりして変化させたものが以下のような編み目になる。
④ござ目
ござ目を斜めにしたり、編み目を粗くしたりして変化させたものが以下の編み目になる。
⑤網代(あじろ)
網代の目を違う方向の編み目と合わせたり、異なる色を交互に入れたりして変化させたものが以下の編み目になる。
⑥縄目
縄目に縦や横、斜めの竹を組み合わせて変化させてのが以下の編み目である。
基本的な編み方をベースにして様々な編み目を作っている。
編み方を組み合わせて立体的に編んだり、2色の竹を組み合わせたりして装飾的な多様な模様を作り出すのだ。
建築材料や照明器具やカゴなど何に使用するかによって120種類もある編み方を変える。
それぞれの編み方によって強度や特徴が変わってくるのだろう。
竹細工の編み方が持つ可能性
『刺繍みたい、オシャレ』
上の写真の編み方を見た時に思ったことだ。
織物や洋服の柄にも似たような柄があるなと思ったからこのように思ったのだろう。
ここまで読んでもらえれば竹細工の編み方が多様であるということは十分わかってもらえるだろう。
そこで1度イメージをしてもらいたい。
”もしも自分の身近に竹細工があったら?”
シンプルに部屋の壁に飾ったらどうだろう?
ピアスやバッグ、スマホケースでもいい。もしも複雑な模様がファッションアイテムの一部になっていたらどうだろう?
竹細工の編み方を使って現代の生活や日常と融合出来そうだなと感じた。
もちろん好き嫌いの好みはあると思う。
実際に取り入れるか取り入れないかは置いといて、
『竹細工って以外とスタイリッシュだな!』
『現代の生活にマッチする可能性は持ってるかも!』
ということは多くの人が思うのではないだろうか。
伝統とモダンの融合
伝統的な技術でモダンな模様を作り出している。
この技術に可能性がすごく眠っていると感じている。
正直、「竹細工」というワードを聞いてあまりピンとこない。またはすごく古い工作のようなイメージを持つ人が多いと思う。自分と同世代の若い人などはとくに。
しかし「竹細工」というワードを聞いてこのような模様を見たらどう思うだろうか。
『すげー!』『キレイ!』『どうなってるんだこれ!』
このような感想を抱くのではないかと勝手に思っている。言ってしまえばこのような感情を抱いた時点で竹細工にはもちろん、日本の伝統的なものづくりにすでに惹きつけられている。
つまり、伝統ある竹細工の技術で作られる美しいモダンな模様たちによって、竹細工や伝統工芸について詳しくない人たちが、にほんのものづくりに触れるきっかけが生まれる可能性があるのだ。
まとめ
今回は八女竹細工について書いた。
そして内容も竹細工の仕組みや歴史というよりも、
”あえて編み方という部分にフォーカス”を置いて書いた。
それはなぜか。
編み方を知ることで竹細工やものづくりに何かしらの感情を抱いて欲しかったからだ。
『美しい』『すごい』『キレイ』といったポジティブな感情はもちろん嬉しい。しかし、『いやあんまり好みじゃない』というような一見ポジティブではない感情だったとしても竹細工というものについて一瞬でも感情を向けてくれたことが何よりも嬉しいことである。
自分が竹細工に惹かれたのがこの編み方だった。現代的でものすごく多様な模様をきっかけに今までよく知らなかった竹細工という技術に興味を持った。
好みやセンス、響くものというのは人それぞれ違うと思う。
さらにきっかけというものも人それぞれ違うと思う。
今回書いた竹細工の編み方の魅力がどのように伝わるかはわからない。もしかしたら誰にも伝わらないかもしれない。
それでもいつかにほんのものづくりの魅力に触れる誰かのきっかけになったら良いなと思い本気で発信した。
完
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