ども!尊央(Takahiro)です!
福岡県八女市に来てから絶対に行った方が良いとたくさんの人に言われてきた場所、
「星野焼 源太窯」
先日ようやく足を運ぶことができた。
山の中にあるその場所で話を聞いて、見て、体感してこう思った。
『伝えたい』
星野焼のこと、源太さんのこと。
興奮している今だからこそ伝えられる言葉で伝えていく。
80年途絶えていた星野焼
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「星野焼 源太窯」ってどんなところ?
星野村。福岡県八女市にある村の名前である。
星野村の土を使って作られる陶器が星野焼だ。
この星野焼、長い歴史があるのだがずっとずっと受け継がれてきたわけではない。
実は1度なくなってしまっている。80年途絶えてしまっていた過去があるのだ。
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1度は途絶えた星野焼。
止まってしまった時計の針を自らの手で少しずつ少しずつ動かし、
星野焼を復活させたのが、山本源太さんだ。
源太さんの工房であり、作品をみられる場所でもあるのがこの源太窯なのだ。
『まだ正解じゃない』
![](https://takahiroishikawa.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_20210706_103948-1024x768.jpg)
土の種類、作り方、陶器をコーティングする釉薬の作り方。
源太さんが星野焼と向き合い始めたとき、陶器を作るために欠かせないこれらの情報はほとんどなかった。
残っている星野焼と星野村の土地性を頼りに源太さんは土を探すところから始めた。
1つずつ1つずつ、試行錯誤しながら源太さんは星野焼を突き詰めてきたのである。
![](https://takahiroishikawa.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_20210706_111316-1024x768.jpg)
「作品になっている土が見つかるまでにどのくらいの年月がかかりましたか?」
短刀直入に源太さんに聞いた。
空を軽く見上げながら源太さんは言った。
『まだ見つかってないよ。』
え!?。正直びっくりした。〇〇年くらいかな、って数字が聞けると思っていたから。
驚く自分を横目に源太さんはこう続けた。
『これが正解ではない。今作っている土が過去にあった星野焼と完全に同じかどうかはわからない。』
会ったばかり。会話を初めてすぐのやりとりだった。
胸が熱くなっているのをすぐに感じた。
穏やかな表情の奥にある「まだまだできることがある、止まらないんだ。」というような強い想いを感じた瞬間だった。
空を見ながら優しく話してくださる源太さんの人柄と表情、想いにあっという間に惹き込まれてしまっていた。
お茶が黄金色に輝く!?
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赤の器が持つ美しさ
ここまでの写真を見てもらえればわかるが源太さんの作品には赤褐色のものがたくさんある。
なぜか?
源太さん自らの手で再現した星野村の酸化鉄を使った釉薬、「夕日釉」を陶器に塗っているからだ。
「夕日釉を塗った源太さんの器にお茶やお酒を入れると黄金色になる」
文章では見たことがあって知識としては持っていた。
だが、見たことも体感もないから想像もつかないし、本当に黄金色なの?と正直疑いも持っていた。
(お茶やお酒を入れると黄金色になる作品は夕日焼とも呼ばれる)
本当に黄金だ!!!
贅沢なことに源太さんに玉露を入れて頂いた。
![](https://takahiroishikawa.com/wp-content/uploads/2021/07/IMG_20210706_112847-1024x768.jpg)
ここに茶葉とお湯を入れて茶葉を開かせる。
少量のお茶を入れて茶葉を開かせる。
そして最後の1滴まで器にお茶を移していく。
器に入ったお茶を見てみると、思わず声がでた。
『本当に黄金色だ!!!』
![](https://takahiroishikawa.com/wp-content/uploads/2021/07/105788-1024x768.jpg)
赤褐色の器の中にあるお茶は見ての通り黄金色に輝いて見える。
器をテーブルのどこに置くのか、どこの角度からお茶をみるかによっても輝き方が違って見える。
衝撃だった。
自分が想像していたよりもずっとずっと黄金色だった。
こんなに輝かしいとは思ってもいなかった。
まとめ
ギャラリーには赤褐色の作品はもちろんだが、白い作品、湯呑みや茶碗だけではなくお皿や急須、湯冷ましや一輪挿しなどたくさんの種類の作品が並ぶ。
そして作品を作る場所にはたくさんの道具や本、雑誌などがたくさん置いてあった。
「源太さんはどんな風に作品を仕上げているのだろうか。」
「どんな気持ちでなにを考えながら作っているのだろうか。」
とつい想像してしまうような空間だった。
器の色の美しさ、作品の形や種類、源太窯の場所、作品を焼く窯の迫力、そして源太さんの人柄、
心が動く瞬間がとても多い時間だったなと思う。
足を運んで良かったと心から思う。案内してたくさんお話をしてくださった源太さんに感謝の気持ちでいっぱいである。
(完)
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