器を新たな視点で見る。山中漆器の木地挽きに挑戦!!

ども!尊央(Takahiro)です!

石川県の伝統工芸品である「山中漆器」の”木地挽き”と呼ばれる工程をやらせていただいた。

『職人さんのサポートがなければ全くうまく行かない』

身を持ってそう感じた。

木地挽き(きじひき)とはどのような技術なのか?

感じたことと合わせて本気で伝える!!

目次

木地挽きってなに?

木なのにろくろ!?

陶器などを作るために使うろくろ。

土の陶器の形を整えるためにろくろを使うなら想像がつく。

しかし、木を扱うためにろくろを使うと聞いて想像がつくだろうか?

見本の器のあとをつけて不要な部分を切り落とした木を動画のように特殊なろくろに設置し形を整えていく。

大まかな形にする荒びきのあとに乾燥させてから木地挽きの仕上げとなる仕上びきを行なう。

この一連の工程が”木地挽き”というものだ。

道具も手作り!?

驚いたことがある。

手に持っている道具(カンナ)に注目してもらいたい。

軽そうに見えるが持ってみるとずっしりと重さがある。

持った瞬間『あ!おもっ!』と思わず口にしたくらいだ。

カンナの先端部分。ピントがずれてしまった。

お手本を見せてくれたとき、職人さんがぼそっとつぶやいた。

『道具も手作りだからね。』

「ん?どれのこと?」すぐに理解することは出来なかった。

聞くと言っているのは手に持つカンナのこと。

このカンナは木地挽きの道具として大量生産で売っているものではない。

これから木地挽きするものと自分の技術などを考えて職人さんがオリジナルで作った世界に一つだけの道具なのだ。

木地挽きの技術だけではなく、使う道具にもストーリーがあるのはすごく面白いとおもった。

美しい形は木地挽きで決まる!

漆器は木から器として完成するまで多くの工程があり分業制がとられる。大きく分けると、

木地師、塗師、蒔絵師の作業である。

それぞれの技術が結集し美しい漆器となるのだ。

木から器になるまでの工程

中でも山中漆器が誇る木地挽きの技術は素晴らしいもので、「木地の山中」と言われている。

仕上びきの後に行なわれる加飾(かしょく)と呼ばれる技術はろくろを使って細かい模様を入れていく技術である。

ろくろを使った技術の高さが山中漆器の特色なのだ!

いざ木地挽きに挑戦!

職人さんの見本を見てろくろの動かし方や道具の持ち方などを教えてもらってから実際に木地挽きに挑戦してみた!

持ち方にもコツが!

カンナをどのように持つかで作業の質が大きく変わる。

カンナがぶれないようにしっかりと脇で挟み込む。

そしてカンナを挟んでいない左手で支えるのだが支えるポイントが違うだけでもやりやすさが全然違う。

ちょっとしたことだけどこれだけで削れ方も変わってしまうことがよくわかった。

手だけではなく全身で!

ずっと同じ場所にカンナの先端を当てているとその部分だけたくさん削れてしまい良い形にはならない。

きれいな形にするには削る場所を変える必要があるのだ。

動画でわかるようにカンナを手だけではなく身体を傾けながら動かしているのがわかる。

手だけで動かしてしますとカンナが途中でずれてしまい削りにムラができてしまうからだ。

体を傾けるタイミング、スピードが難しい。

角度の違いでずいぶん変わる

やってみて一番難しかったのがこの部分だ。

写真でわかるようにカンナの先端を角度をつけて当てることで削ることができる仕組みになっている。

角度をつけ過ぎてしまうと深く削れてしまい、

角度がないと全く削れない。

「ちょうど良い角度」

これを見つけてムラがないように削るのは至難の技である。

まとめ

木地挽きで使用される特殊なろくろ、

足下にペダルがありそれを踏むとろくろが動く仕組みである。

自分が体験したあれだけの難しいことをやりながら足下にも意識を向けないといけないという技術。

職人さんのサポートがなければ素人にはできない。

漆器というとつい漆を塗る工程がまず浮かぶ。

しかし器本体のストーリーに目を向けることで新たな気づきや思い、技術を知れる。

とても素敵な時間だった。

体験で木地挽きをした器だ。

職人さんに仕上げと漆塗りをしていただいて後日手元に届く。

完成を見るのも楽しみだが、

何よりもこの器で食べるご飯が楽しみでしょうがない!

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この記事を書いた人

足袋の町、埼玉県行田市で生まれ育つ。
海外から帰国後、日本のものづくりに心を奪われ続ける。
歴史や背景などのストーリーがあるもの、作っている人の思いが詰まっているもの、こだわりで溢れているものに心が熱くなる。
服、旅行も好き。そして人の笑顔も好き!!

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