「武州正藍染ここにあり!」野川染織工業に迫る vol.2

ども!尊央です!

武州正藍染の野川染織工業について3回にわたって本気で発信する。

はじめに野川染織工業の3つの魅力を整理しておきたい。

魅力①武州正藍染へのこだわり!

魅力②糸染めから織り、縫製までを自社で完結!

魅力③武州正藍染を日常生活と結びつけている!

vol.1では魅力①武州正藍染へのこだわりを書いた。

今回のvol.2では、

魅力②糸染めから織り、縫製までを自社で完結!

について本気で発信します!

目次

魅力② 糸染めから織り、縫製までを自社で完結!

野川染織工業に到着すると、

藍染とは思えない、『ガタガタガタガタ』ととても織機の大きな音が聞こえた。

野川染織工業では、糸を染めるだけではなくまっ白の糸が藍染のものになるまで全て工場内で完結している。

だから、織機の大きな音が響き渡っているのだ。

まっ白の糸が製品になるまでの物語を見ていこう!

「私、いま工場見学してるよ!!」

そんな錯覚にぜひおちいって欲しい。

①糸をカセにする

糸を染める前から藍染は始まっている。

カセの状態の糸が大量に保管されている。

芯に巻かれた糸をカセにするのが最初の作業だ。

染める前の「糸の下準備」のようなイメージを持って欲しい。

1つ完成させるのに10分-15分ほどかかる。これを全て手作業でおこなう。

なぜカセにするのか?

カセの状態にして染めることで糸の芯までしっかりと染めることができるからだ。

②先染め

野川染織工業の魅力を生み出す重要な工程。

染め場に入った瞬間ニオイがした。

ツーンっと鼻につく独特なニオイ、

野川染織工業が天然藍にこだわるからこそのニオイだ。

vol.1でこの先染めへの野川染織工業のこだわりと思いについては熱く語らせてもらった。

今回は先染めの様子を伝えたい。

百聞は一見にしかず。動画をみてもらいたい。

(美しすぎて何度もみちゃうんです。何度も何度もみて欲しい。)

職人が実際に先染めを行う姿。
糸の色の変化、動作、音、全てに注目して欲しい。

それぞれの甕(かめ)に1つ1つ年齢が違う藍液が入っていて、

糸をつけては取り出し、つけては取り出しをくり返していく。

みて分かるように職人さんが糸の染まり具合を見ながら、力強く作業を進めている。

職人さんの横で実際に体験させていただいた。

実際にハンカチを染める体験をさせていただいた。

へっぴり腰で情けない。笑

つけては取り出す作業を4回繰り返した。時間にして約5分。

びっくりするくらい腰も足も痛くなった。

職人さんが力強くやっていたこの作業は思っているよりはるかにきつい作業だ。

天然藍に含まれる微生物の活性の強弱は温度によって変わってしまう。

だから真夏はもちろん冷房などかけられない。

真夏は汗が止まりません(笑)

職人さんがニコっと微笑みながら教えてくれた。

先染めをする機械カセの糸を機械にかけて染める。

剣道着など大量に糸が必要なときは機械を使って染めることもあるという。

しかし、

職人さんの手にはかなわない。

野川雄気さんが言った。

機械だと微妙な色のムラが出てしまうこともあるようだ。

職人さんの熟練された技術と感覚は素晴らしいものということがこの一言から強く伝わってくる。

③乾かす

入念に染められた糸は後に織機で織られていく。

その前に染めた糸を乾かす必要がある。

染めさせていただいたハンカチ。

写真はハンカチだが、染めた糸も天気が良い時にはここにかけてキレイに乾かしていく。

天気が悪い時はどうするのか。

乾燥室があり、そこで乾かしていく。

ただ干せば良いという話ではないようだ。

ここでぐちゃぐちゃにして干してしまうと次の工程で問題になってしまう。

④糸の巻き取り

いよいよここから糸を織る準備に入っていく。

最初の準備はカセの状態の糸をもとの芯に巻かれた状態に戻していくこと。

高速で芯に糸が巻かれていく様子。

速い!とにかく速い!!

機械を使って糸を芯に巻かれた状態に戻していく。

巻き終わって芯に戻った糸。

凄まじいスピードで巻き取られていく糸は細くて全く見えなかった。

少しづつ、でもあっという間に太く大きくなっていく糸の芯。

その変化がなんか心地良くてつい見入ってしまった。

⑤たて糸とよこ糸づくり

武州正藍染はたて糸とよこ糸を藍染の糸で織っていく。

たて糸

先の芯に巻かれた糸を織機に取り付けるたて糸にしていく。

織機に取り付けられたたて糸。

このたて糸がまためちゃくちゃ大きい!!

「手のひらに乗っていたあの芯がどうやってこんな大きくなるの!?」

とても不思議だった。

芯に巻かれた糸を設置し、

このように1本1本伸ばして、少しづつずらしながらあのめちゃくちゃ大きいたて糸にしていく。

もちろん全て手作業である。

よこ糸

野川染織工業では「旧式シャトル織機」を使っている。

旧式シャトル織機

・織るスピードがとても遅い。

・手織りに近い素材感を生み出せる。

・生産性が求められ現在はあまり使われいない。

写真の糸が巻かれている部分がシャトルである。

このシャトルが動くことによってよこ糸が入り織物になっていく。

シャトルに糸を設置する。それがよこ糸づくりだ。

この工程で糸を織っていく準備が完了した。

ようやく織機を動かせる!!!!!

⑥織り

いよいよここから藍の糸が織物になっていく!!

工場の外まで響き渡る大きな音。

織り場に入った瞬間、織機の音で案内をして下さった野川雄気さんの声が全く聞こえなくなった。

それほど大きな音だった。

それでは早速たて糸とよこ糸が織られていく様子を見ていこう。

たて糸

約3000本の縦糸が織機に織られていく。

キレイに並んだたて糸たちが織機のなかに入っていく。

たて糸の数は商品の種類によってことなり、

ストールなどは極端にたて糸の数は少なくなる。

よこ糸

よこ糸が入りついに織物になる!!

素早く左右に動き続けるものがみえる。

よこ糸を設置したシャトルだ。

織機の反対側に出てきたたて糸に対してシャトルのよこ糸が入り織物になる。

速すぎて何が起きているのか分からなかった。

これを使うしかないんです。

ものすごく速くみえた旧式シャトル織機。

実はこれでもすごく遅いらしい。

”生産性が求められる時代になぜ速度の遅い旧式シャトル織機を使うのか?”

とても疑問に思った。

藍で染めた糸には不純物が含まれている。

それを現代の速い織機で織ると、

糸が切れてしまい仕事にならない。

野川雄気さんが説明してくださった。

たて糸とよこ糸の組み合わせによって、

ようやく武州正藍染の織物(青縞)が完成する。

⑦縫製

大きな音が響く織り場を出て次の工程に案内していただいた。

縫製を行う場所だ。

入り口であいさつをすると快くみなさんが返してくださった。

丁寧に、そしてこだわり抜いて完成した織物。

職人さんたちの一つ一つ丁寧な手作業で、

その織物がここでついに”武州正藍染のもの”へと変身する。

まとめ

一つ一つの作業が次の作業に『直結』している。

まっ白の糸から美しい武州正藍染のものにするには、

これだけの丁寧な工程を必要とするのだ。

全工程を自社で完結させている武州正藍染の作り手さんは、野川染織工業だけ。

同じ方向を目指す人たちで、

丁寧な作業と同時に想いも情熱も一つずつ積み重ねる。

野川染織工業だけの素晴らしい魅力だ。

vol.3では、

魅力③武州正藍染を日常生活と結びつけている!

について発信する。

お楽しみに!!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

足袋の町、埼玉県行田市で生まれ育つ。
海外から帰国後、日本のものづくりに心を奪われ続ける。
歴史や背景などのストーリーがあるもの、作っている人の思いが詰まっているもの、こだわりで溢れているものに心が熱くなる。
服、旅行も好き。そして人の笑顔も好き!!

コメント

コメントする

目次